言語を学ぶ上では、個別の単語を覚えるだけではなく、その言語で頻繁に使用される定形表現やチャンクを学習し使えるようになることが熟達度の向上に有効であると研究で示されています (Boers et al., 2006; Kremmel et al., 2017; Saito, 2020; Tavakoli & Uchihara, 2019)。 定形表現には、例えば “due to”や“no longer” など個別の単語から意味の推測が難しいものが多く含まれます。そのため、知っていないとリーディングで読み違えてしまったり、知っていればスピーキングやライティングで表現したい内容を効率よく伝えられるのに(知らないので表現できない)といったことが起こり得ます。 また、定形表現には、例えば“is likely to”や “as well as”などのように、全体の意味が個別の単語と文法知識から予測できるものも含まれます。一見かたまり(チャンク)として覚える必要なさそうなこれらに関しても、あたかも1つの単語のように覚えることで、全体の言語処理の負担を軽減することができ、結果として流暢性の向上に貢献すると考えられています。 Multi-Word Units Profilerは英語で頻出するチャンクを特定し、ハイライトして、その表現の頻度等を参照することが出来る無料のウェブアプリです。この記事では、Multi-Word Units Profilerの使い方を簡単に紹介します。 Multi-Word Units Profilerの目的 Multi-Word Units Profilerの意義目的は要約すると以下の4点です。
Multi-Word Units Profilerでできること 当アプリでできることは大きく分けて以下の2つです。
Multi-Word Units Profilerの使用手順
分析結果の見方 分析が終わると、2種類のアウトプットが表示されます(Version 1.6.0; 2020/8/16現在)。それぞれ順番に説明します。 1. Annotated text
2. Table output
次回の投稿ではVersion1.6.0で利用できるリストについて解説します。 参考文献
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AuthorI am a Ph.D. student in Applied Linguistics and Second Language Acquisition. I occasionally post on language learning, quantitative research method, and others. ArchivesCategories |